はじめに
大きなITプロジェクトでは、経営層や部門の責任者が集まるステアリングコミッティを置くことが一般的です。本来は、プロジェクトの方向性や優先順位を決める場です。ところが実際には、進捗の報告を聞いて終わる会議になっていることが少なくありません。
報告会になってしまう理由
報告会になってしまう一番の理由は、議題が「報告すること」から組まれていることです。進捗、課題、今後の予定。どれも大切ですが、それだけでは参加者は聞き手にとどまり、判断を求められる場面が生まれません。
その結果、本当に経営層の判断が必要な論点が、会議の後に個別の調整として持ち越されてしまいます。
議題は「決めてほしいこと」から組む
会議の冒頭に、今回決めてほしいことを示します。「この範囲を今回のリリースから外すかどうか」「追加の予算を認めるかどうか」のように、選択肢がはっきりした問いの形にしておきます。
ステアリングコミッティの価値は、聞いた量ではなく、決めた数で測られます。
資料は、判断に必要なものだけにする
資料は、決めてほしい論点ごとに、背景、選択肢、それぞれを選んだときの影響、事務局としての推奨をまとめます。進捗の詳細は別紙にし、会議では必要なときに参照する程度にとどめます。
会議の前に確かめたいこと
- 今回決めてほしいことが、問いの形で示されているか
- 選択肢ごとの影響と、推奨案が用意されているか
- 判断に必要な人が、会議に出席するか
- 進捗の報告に、時間を使いすぎていないか
決まったことを、その場で確かめる
会議の最後に、決まったこと、持ち越したこと、次回までに誰が何をするのかを読み上げて確かめます。その内容を当日中に共有すれば、決めたはずのことが後から覆るのを防げます。
ステアリングコミッティが決める場として機能し始めると、現場の議論も、決めるべき論点を意識したものに変わっていきます。
